EU REACH規制の基本と影響:化学メーカーの営業担当者が知っておくべきポイント

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顧客対応で困らない!実践的な対応策と具体例

REACH規制の基本と営業担当者の関係

  • REACHとは?
    • EU REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)は、EU市場で販売・使用される化学物質の安全性を確保するための規制です。2007年に施行され、EU域内で製造または年間1トン以上輸入される化学物質は、事前に登録しなければならないというルールが定められています。
  • 対象となる化学物質
    • REACHは、以下の3つの形態でEU市場に流通するすべての化学物質に適用されます:
      1. 単体化学物質(例:TDI、エタノール、ベンゼン)
      2. 混合物(例:塗料、接着剤、インク、洗剤)
      3. 成形品(例:プラスチック製品、電子機器) → 0.1%以上の特定物質が含まれる場合に規制対象
  • 営業担当者が関わる場面とは?
    • 化学メーカーの営業担当者がREACH規制を意識しなければならない場面は、主に以下の3つです。
      • EUの顧客から「この製品はREACH登録済みですか?」と質問されたとき
      • EUへの輸出を検討している新規顧客が、REACH対応を求めてきたとき
      • SDS(安全データシート)やREACH登録番号の提供を求められたとき
  • よくある顧客の質問と適切な回答例
    • 質問1:「この製品のREACH登録番号を教えてください。」
      • → 回答例:「弊社のTDIはREACH登録済みで、登録番号は〇〇〇〇です。用途としてはポリウレタンフォームや塗料に対応しています。」
    • 質問2:「貴社の製品はREACH登録されていますか? もし未登録なら、いつ登録されますか?」
      • → 回答例:「現在、REACH登録申請中で、完了予定は〇〇月です。輸出開始時期に間に合うよう進めています。」
    • 質問3:「この製品はSVHC(高懸念物質)を含んでいますか?」
      • → 回答例:「本製品にはSVHCに指定されている〇〇〇が0.1%以上含まれています。そのため、輸入者はECHAへの報告義務が発生する可能性があります。」

REACH対応を営業活動にどう活かすか?

顧客に説明する際のチェックリスト

  • 営業担当者が顧客と商談する際、REACH登録に関する質問にスムーズに対応できるよう、以下の項目を確認しておきましょう:
    1.  REACH登録の有無(自社 or 代理人による登録)
    2.  SDSの提供可否(最新のEU準拠版があるか)
    3.  登録済みの使用用途の確認(顧客の用途が登録範囲に含まれているか)
    4.  SVHCに該当するかどうかの確認
    5.  登録番号の提供可否(必要なら開示できるか)

実践例:「塗料メーカー向けのTDI販売」

あなたの会社が日本でTDIを製造し、EUの塗料メーカーに販売しようとしているとします。
TDIのREACH登録が完了していることを確認し、登録番号を用意。SDSを提供できるように準備し、REACH適合版であることを強調。「塗料用途として登録されているか?」と聞かれた場合に備え、登録内容を確認。「SVHC含有状況」を確認し、0.1%以上含まれるなら顧客に情報提供。このように、事前にチェックポイントを整理しておけば、スムーズに顧客対応ができます。

営業の現場で使えるトーク例

実際の営業現場で、顧客にREACH対応を説明するときに使えるフレーズをいくつか紹介します。

  • ケース1:登録済みの製品を販売する場合
    • 「弊社のTDIは、REACH登録済みの製品です。登録番号〇〇〇〇を取得しており、用途は〇〇向けに対応しています。EU規制をクリアしているため、安心してご利用いただけます。」
  •  ケース2:現在登録申請中の場合
    • 「現在、REACH登録手続きを進めており、〇〇月までに完了する予定です。もし貴社のスケジュールと調整が必要であれば、ご相談可能です。」
  •  ケース3:顧客がSDSや登録証明を求めてきた場合
    • 「SDSはEU基準に準拠した最新版をご提供できます。また、REACH登録の証明書も用意可能ですので、ご希望の場合はお知らせください。」

REACH登録済みを活かした提案営業

REACH対応製品をPRポイントにする

REACH登録を完了していることは、EU市場での販売において競争力を高めるポイントになります。営業担当者として、これを積極的にPRしましょう。

  • 他社が未登録の製品を扱っている場合、REACH登録済みであることを強調する
  •  新規顧客に対し、「REACH対応済みの製品を安定供給できる」とアピールする
  •  既存顧客に対し、REACH対応の最新状況を定期的に共有し、信頼を獲得する

 成功事例:「日本メーカーA社 vs 中国メーカーB社」

日本メーカーA社はTDIのREACH登録を完了し、登録番号を持っていた。一方、中国メーカーB社は登録しておらず、顧客がREACH対応を求めた際に対応ができなかった。結果として、A社がEUの塗料メーカーとの契約を獲得し、B社は市場参入が難しくなった。→ REACH対応が「競争力の強化」につながることがわかる。

まとめ

EU REACH規制は、単なる法規制ではなく、営業活動にも大きな影響を与える重要なポイントです。

  • REACH登録がないと、EU市場で製品を販売できない。
  • 営業担当者は、登録番号・SDS・SVHC情報を顧客に適切に提供できるように準備する。
  • REACH登録済みの製品をアピールし、競争優位性を確保する。

 

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